1975年よりBMWの中型高級車として位置づけられてきたBMW3シリーズ。2012年には新型の登場で注目されているクラスですが、今回ご紹介するモデルはその中でも5代目となるE90型3シリーズです。2005年より発売されているこのモデルは、4ドアセダン、 2ドアクーペ、オープンカブリオレ、ツーリングワゴンのバリエーション。先代と比べてゆったりとしたボディサイズになり、BMW特有のスポーツ感を守りながら、内外装ともに優雅にバージョンアップされた定評のあるモデルです。
撮影車両 BMW325i
エンジンはベーシックな4気筒から高性能6気筒ツインターボエンジンまでラインナップ。 撮影にお借りした車両はBMW325iで、直列6気筒2500ccのエンジン。アクセルを踏み込むとエンジンが軽く吹け上がり、どこまでも回り続けるような感覚を覚える。低速からトルクもあってどの回転域でも扱いやすく、楽しくドライブできる。
先代のE46と同様、ごく低速域だと「ハンドルが重いなぁ」と感じるかもしれません。しかしいったん走り出すとそれも気にならなくなり、まるで硬いゴムの上を走っているような感覚になります。タイヤから伝わる路面の情報がダイレクトに受けつつ、安心しながらドライブできます。街乗りでは「やや硬いかな」くらいだった乗り心地も、高速道路を走り出すと抜群の乗り心地に変貌します。
タイヤの接地感を感じながらコーナーでステアリングを切ると、クルマはダイレクトに反応してくれます。思った通りのラインをクルマが綺麗に走行してくれます。
高速域で急ハンドルを切っても、素直に対応してくれるところは、思わず「さすが!」と言いたくなります。
国産車のパーツを1とすると、輸入車のパーツが10。それほどパーツの価格が違うのは事実です。また、故障する頻度も最近のモデルでは差が縮まりつつありますが、国産車よりは頻度は高くなります。特に電装品はデリケートで、複雑な制御で高次元のバランスを保っており、故障も多く見られます。ただし、足回りに関しては最近のモデルは以前より強くなっていると思われます。
このモデルに関しては比較的目立った故障もなく、維持しやすいモデルだと思います。ただ、ずっとノーメンテで性能を保ち続けるわけではなく、定期的にメンテナンスを行う必要はあります。しかし万が一故障した際のパーツ代も、やはり国産車よりは金額が高くなりますので、ある程度余裕を持たれてお付き合いされることをおススメします。
お借りした325iは2500ccエンジンでなかなかの燃費。ハイオク燃料ですがそれほど負担にならない数値とのこと。一年に一度支払う自動車税は排気量2500ccだと45000円、車検時で約20万から30万くらいが平均。
シャープなヘッドライトとボディーライン。スモールライト点灯でライトユニット内に光の輪が浮かび上がる。(通称イカリング)発売から年数が経過しても古さを感じさせないデザインが魅力的。
323i以上のクラスに標準装備されるウッドパネル。室内 はボディサイズと同様広々としていて、リアシートの居住性もよい。ダッシュボード周りのデザインもシンプルにまとめられている。
座り心地のよいハーフレザーシート。ホールド性もよくフロント2脚は電動式。運転席にはメモリーでパターンを記憶させることができる。
リアシートの居住性もよい。ただしフロントに比べ、乗り心地はややゴツゴツ感がある。
悪い点として挙げられるのが、車内の収納力。トランクルームは広いが、車内はスペースが少なく、ドリンクホルダーも運転席から遠いのが残念。
(不満な点)サイドミラーも慣れるまで時間が必要かもしれない。特に外側4分の1は曲面鏡となっており距離感がつかみにくいという違和感もあり。
維持費を優先するのであれば、320i。エンジンとシャーシのバランスで選ぶのであれば325iをおススメしています。320iは2000ccエンジンを搭載していますが、特にパワー不足を感じることもなく、高速でもレーンチェンジは余裕です。また、ハイパワー、ハイスポーツをお求めでしたら、335i (3000ccツインターボ)もあります。
安く車両を購入されて、納車後に莫大な修理代がかかった。ということはよくあります。安いクルマには何らかの理由があるもので、明らかに安すぎると思われる車両を購入される際には、必ず修理箇所が出てくることをあらかじめ考慮されてください。
新車時に入れられているオイルが100%化学合成のロングライフオイルというものです。2万キロ(慣らし運転が終わっても)オイル交換が不要と言われているようです。ただしオイル交換が永久に不要というわけではなく、オイルの寿命は必ずくるものですし、運転の仕方によって寿命は左右されます。
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