1991年よりBMWの高性能バージョンモデルとして登場したE34型BMW M5。当初は3500ccの直列6気筒エンジン(315ps)と5速MTとの組み合わせで当時世界最速の4ドアサルーンとして登場いたしました。その後のマイナーチェンジにより、3800cc(340ps)の5速MTモデル、3800ccの6速MTモデルと3種類のモデルが存在します。今回撮影させて頂いたのは中期と呼ばれる3800cc5MTの1993年モデルです。(正規ディーラー車両)シルキーシックスと呼ばれる、7000回転レッドゾーンまでストレスなく一気に吹け上がる高精度・最高級のエンジン。迫力のある排気音で今でもファンを魅了し続けます。
E34型のM5はE28型から数えて2代目。それまでのBMWと言えばこの丸目のヘッドランプ。その後のE39型からはヘッドランプのデザインが一新されました。
哀愁漂う古典的なBMWのデザインですが、E34型はバランスの良いデザインで多くの人に好まれています。
高精度で組み上げられたMのエンジン。低回転からもトルクが太く、さらに滑らかに吹け上がる名機です。直列6気筒3800cc。最高出力は340馬力を誇ります。今から20年以上も前の車両ですが、好調なコンディションでした。
ハンドルは左設定のみ。黒本革シートになります。全席 シートヒーターの快適装備。ホールド性の良いシート、クッションは柔らかすぎず、長時間の運転でも疲れにくいシートでした。
赤と青のステッチの入った純正本革ハンドル。運転席、助手席エアバックも装備され安全性も抜群。
まさにラグジュアリースポーツ。新車当時の価格が1280万円!!
17インチのMテクニック純正の軽量アルミホイール。フロントが235/45、リアが255/40と前後でサイズが異なる。
M5のオンボードコンピュータ。時計の表示をはじめ、燃費や平均スピード、ストップウォッチまで、今となっ ては普通の機能でも当時は最先端だったんですね。最新モデルとは違い、ローテクなパネルにも心を打たれます。
セルモーターを回すと「ボゥッ!」とマフラーから迫力の太いサウンドが聞こえます。アイドリングも安定しています。アクセルは重ための印象。少しずつアクセルを踏むと太い排気音に心を揺さぶられます。
何と言ってもこのエンジン。低速トルクもあり、2000回転付近でもどんどん前に進んでくれます。燃費を気にしていましたが、とくに燃料消費が激しい様子もありません。クラッチを離して、あまりエンジンを吹かすことなく発進出来ます。これだけ高出力のエンジンですが、とても扱いやすく驚きました。もちろんエンジンのコンディションが良いから、なのですが。
峠道でも機敏なコーナーリングを見せてくれました。やや重いステアリングですが走行し出すと、ちょうどいい重さと安心感を感じます。
路面の状況を把握しやすく、エンジンのトルクも太いので安心してアクセルを踏んでいけます。波状路でもサスペンションはしっかりと地面を捉え、気持ちよくドライブすることが出来ました。
今から20年以上前のモデル。現存する車両の中からコンディションの良い車両を探すのは一苦労です。特に大切に乗り続けられているオーナー様は多いとは言え、走行距離は10万キロ以上の車両がほとんどです。
当社でも数台E34型M5を整備入庫させて頂いております。とても大切に維持されているお客様がほとんどですが、それでもやはり20年以上前の車両。重点的に整備が必要な箇所は出てきます。
・燃料ポンプやフューエルホースなど燃料系。
・エンジンマウントやサスペンションブッシュ類。
・ラジエーター、ラジエーターホースなど冷却系。など
購入した後にどれだけの整備費用がかかるのか?とても不安がよぎります。
これは、その車に前オーナー様がどれほど手を入れてきたかによります。定期的なオイル交換はもちろんのこと、12か月点検と、2年に一度の車検をきちんとした整備工場でメンテナンスを受けていることが必須条件です。
それを判断する為に、メンテナンスの内容を記録簿として残されていることが大切です。
あまりに安いから、と言って状態の悪い車両を手にすると、購入した後の方が修理代で高くつく、という場合もありますので、車両の状態を見て決定するのが重要ですね。
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