
こんにちは、山内ガレージです。
今回は、オイル漏れトラブルでご入庫された、E28のご紹介です。
このE28は、1981年から1988年まで生産された2代目5シリーズで、
構造がシンプルで整備性が高く、今でも根強いファンが多い魅力的なモデルです。
お客様から「車庫が赤いオイルで汚れる」と電話を頂きました。
どのオイルが漏れているか?判明出来なかったので、駐車場がどの程度汚れていますか?と確認すると500玉程度の大きさの跡が残っていますとの事でした。
車両下部を確認すると、想定以上にオイルが漏れている事が判明。
早速、点検するとミッションオイルクーラーホースからのミッションオイル漏れと判明。


最初に頭をよぎったのは、約40年前のビンテージカーの為、部品の在庫があるのか?が一番気になりました。
部品在庫を確認した所ドイツに部品がありましたので、早速お客様と打合せを行い部品をドイツオーダーしました。
漏れているミッションオイルクーラーホースのみの交換も可能でしたが、
他のホースも劣化していたため、お客様の了承を得て全て交換を実施しました。
部品到着後、作業を進めさせて頂きました。
配管は「ミッション本体 → 左前フレーム横 → ラジエター下 → ラジエター本体」と
知恵の輪のような複雑な取回しとなっており、非常に困難な交換作業となりました。




また、ミッションオイルクーラーホースのフランジ部分は、新しいホースとの当たりが少しでもズレると再びオイル漏れを起こします。
通常は、ホース交換だけされる事が多いですが、山内ガレージでは予防の為フランジも新品に交換させていただいております







ミッションオイル充填後、ロードテストを行い漏れがない事を確認。
さらに、エンジン内部洗浄(フラッシング)も今回実施させていただきました。
こちらのオーナー様は、エンジン内部洗浄を定期的に実施していただいてる為、
エンジン音が静かでスムーズな吹け上がりを保てています。



今回のBMW 535(E28)のオーナー様は、
このお車を長年大切に所有されている方で、
長いお付き合いをさせて頂いております。
このような歴史ある車両を修理させて頂けることを、
心より感謝申し上げます。
これからもお客様のご要望に応えられる整備工場として、精進して参ります。
これからも山内ガレージを宜しくお願い致します。

こんにちは。山内ガレージです。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
今回はBMWアルピナB10(E24)で、走行中にブレーキが軟らかくなり、強く踏まないと効かないという症状で入庫した事例をご紹介します。
ブレーキは命に直結する重要な部分ですので、慎重に点検を行っていきます。
点検の結果、冷間時は問題ありませんでしたが、暖気後にブレーキがおかしくなることが判明。
さらに調べると、ブレーキを踏んだ後にキャリパーピストンが戻らず引きずりを起こしていることも確認できました。
原因の切り分けを行ったところ、エンジンルーム内の温度が70〜80度になるとマスターシリンダー内部でブレーキオイルがリークしていることが分かりました。
部品の交換が必要ですが…
BMWの6・7・8シリーズは1982〜1989年の間特殊な油圧式ブレーキシステムを採用しており、部品を探すのに一苦労しました。
このブレーキシステムは、マスターシリンダー・パワーシリンダー・アキュームレーター・レギュレーターで構成されており、
部品は、アメリカとドイツから取り寄せました。








アキュームレーター内部にもガスが入っておりガス抜けするとブレーキアシストも不安定になり、軟らかくなる原因になる為、併せて交換しました。

全ての部品交換後、ブレーキオイルのエア抜き作業を確実に行い、念入りにロードテストを実施いたしました。
冷間時、暖気後ともに、ブレーキ作動に異常がないことを確認し、無事にオーナー様へご納車させていただきました!
ブレーキは特に命に直結する重要箇所ですので、山内ガレージでは常に確実で丁寧な作業を心がけております。
今後とも、山内ガレージをよろしくお願いいたします。
岩﨑

皆さま
いつもブログを見て頂きありがとうございます!
今回は、6月に掲載させて頂いた「ベンツ420SELリフレッシュ」の後編になります。
前編では、ミッション関連や足回りのリフレッシュを中心にご紹介致しました。
今回は、エンジン回りの整備から最終チェック、そしてオーナー様へのお引き渡しまでの流れをご紹介致します。
お客様のご要望もあり、エンジン回りの補器類は、ほぼ交換しました。





最近は外気温がかなり上がっていますので、予防整備としてウォーターポンプやラジエーターといった冷却系も交換しています。
これで真夏でも安心してお乗りいただけます。



さらに、エアコンの効きが弱いとのことでガス漏れチェックを行ったところ、コンプレッサー本体からの漏れを確認しましたので新品に交換しました。
しっかり冷えるようになりました。


整備完了後、長めのロードテストを実施しました。
ところが…アクシデント発生!!
走行中に突然エンジンがストールし、そのまま始動できなくなってしまいました。

急遽車両を工場にレッカー移動後、原因を探るとイグナイターが不良でエンジンに点火火花を飛ばせなくなっていました。

部品交換後、再度ロードテストを行い、今度は問題なく快調に走行出来ました。
故障が多い部品ではありませんが、お客様に納車した後に発生しなかったことは不幸中の幸いだったと思います。お客様とそのようにお話しいたしました。
最後は、お客様と一緒にロードテストを行い仕上がりに満足頂けました。
ご納車後、お客様から暖かいお言葉も頂きました。
許可をいただきメッセージを掲載させていただきました。

この様なお言葉を頂けると整備士になって良かったと心より思います。
これからもこの様なお言葉を頂ける様に精進して参ります。
今後共山内ガレージを宜しくお願い致します!

いつも山内ガレージのブログをご覧いただきありがとうございます。
連日厳しい暑さが続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
山内ガレージでも、暑さに負けずスタッフ一同、日々整備に励んでおります。
さて今回のご依頼は、フォルクスワーゲンユーロバンエアコンの風向き調節が効かないとのことです。
この車両はアメリカからの並行輸入車で、日本国内にはわずか20台しか流通していない非常に希少なモデルです。
そのうちの2台を山内ガレージで整備させていただいており、もう一台は以前ブログにて紹介させて頂きました。
今回の症状は、エアコンはよく効いていて寒いくらいなのですが、風がフロントガラス側(デフロスター)からしか出ず、運転席の正面にはほとんど風が出ません。
そのため、長時間乗っているとガラスが曇ってしまい、困っていますとの事。
点検や修理するには、室内のダッシュパネルを外し内部のエアコンフラップの動きを点検する必要があり、重整備となりますので
お客様の承諾を得て作業に取り掛かります。




稀少車で整備マニュアルもないので、ひとつの部品を取り外すのにも、経験を活かしながら慎重に分解を行いました。(汗)


エバポレーターケースを分解したところ、もともと風の流れを仕切るためにフラップに貼り付けられていたスポンジテープが、経年劣化により剥がれ落ちていることがわかりました。
そのため、風を正しく仕切ることができず、吹き出し口の切り替えが正常に行えなくなっていたことが原因でした。
吹き出し口からスポンジが出てくると、お客様も仰っていました。

風向き切替用ダイヤフラムの破れも点検↓
異常はありませんでした。


生産が終了している部品ですが、新品の部品でも経年劣化によって今後も同様の症状が発生する可能性がありました。そこで、お客様と相談の上、再発防止を考慮した修理方法を検討しました。
その結果、フラップの修理として、穴の部分はアルミテープで塞ぎ、その周囲は隙間テープで塞ぐことになりました。





エバポレーターケースを組み付け、修理完了!
正常にエアコンの風向き切替が出来るようになり、お客様にも喜んで頂きました。
この様な貴重な車両を整備させて頂き感謝しております。
今後共お客様に喜んで頂ける様な整備を行なっていきたいと思っておりますので、山内ガレージを宜しくお願い致します。



いつも山内ガレージのブログをご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、メルセデス・ベンツ 300E-24(W124)の「朝の始動は問題ないが、走行後の再始動時にエンジンがかかりにくい」という症状でのご相談でした。
詳しく点検すると、朝の始動も完璧ではなかったため、原因が一つではないことがわかりました。
まず判明したのは、インジェクターの燃料の後ダレの不具合と、燃料ディストリビューターからのエアー吸い(漏れ)でした。


新品の機械式インジェクターには、品質を保持するために保護用メクラが取り付けられています。このメクラを取り外すには、インジェクターテスターで60回以上圧力をかける必要があります。
山内ガレージでは、メーカー指定の修理マニュアル通りの交換方法を遵守しています。
マニュアル通りに交換を行わない場合、エンジンの不調につながる可能性があります。
下の写真はインジェクターのテスターです。
新品の部品だからと言って、そのままの取付けはNGです。
常日ごろから、一つ一つの作業を丁寧に行っています。


次に燃料ディスビからのエアー吸い(漏れ)修理です。

ゴムのOリングが劣化して余計な空気がエンジンに入ることで不調が起きますが、この部品は生産が終了していました。そのため今回はお客様にご了承いただき、シーリング処理でエアー吸い(漏れ)を止めました。
さらにエンジンの始動不良の原因として、燃料圧力の低下が見られました。

このエンジンは常に燃料圧力が3bar(バール)ないといけません。
インジェクターは始動性を良くする為に、機械式で開弁圧力が3.2〜4.2barで噴射する構造になっています。
エンジンの始動後は、6bar前後が正常です。
点検すると1時間ぐらいで燃料圧力が0barとなりました。
ここで、燃料が外部で漏れてるか?もしくは、内部で漏れてるか?
ということに原因が絞られました。
外部の漏れは、燃料アクチュエーターからのガソリン漏れでした。


上記のように燃料アクチュエーターを交換いたしました。
これで再度ロードテストを行い、暖気後の始動性を確認したところ、
まだクランキングが長い!!
再度点検を行うと、やはり燃料圧力が下がるので、燃料ポンプ横の燃料アキュームレーターが内部でリーク(漏れ)が確認できました。


燃料アキュームレーターは、3barの圧力を保持する為内部にゴムの弁が内蔵されており、そのゴムの弁が内部で破れ、それが原因で圧力が低下している事が判明しました。
圧力の低下を確認するために、アキュームレーターの単体点検を行いました。
燃料圧力は、一晩おいても下がらないことを確認しました。


燃料アキュームレーターの交換を行いました。
これらの修理後、冷間時も暖気後もエンジンの始動性が良くなりました。

フューエルディスビを採用しているお車は、今回の作業のように一つの原因から、複数の原因が重なっていることも多くあります。
しかしだからこそ、一つずつ丁寧に直していくことで、車の寿命は確実に延び、長く乗り続けることができます。
山内ガレージは、皆様が愛車と長く付き合っていけるよう、これからも全力でサポートさせていただきます。お車に関するご相談がありましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。
山内ガレージ一同、皆様からのお問い合わせをお待ちしております。
宜しくお願い致します!
山内ガレージ 岩﨑
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